誰も教えてくれない方法

この調整方法の理由を書く前に、やり方を説明します。

フロントもリアも基本的に同じです。とりあえずリアの方法です。

アクスルを絞めているナットを1/2〜3/4回転緩めてください。其の状態でリアブレーキを思いっきり踏みます。其の状態のまま(踏みっぱなし)で先ほど緩めたナットを規定トルクで締め付けます。

これだけです。もう一度ブレーキの遊びの調整をしてみてください。以前より遊びを少なくしても、引きずりが無くなり、踏んだ感触がしっかりする筈です。フロントも同じでブレーキレバーを握り締めた状態で行ないます。

何故こんな事が起きるのでしょう?。原因はドラムのセンターが完全に合っていない為です。アクスルシャフトとベアリングの間には結構隙間が有ります。其の為に単に組み上げただけでは、ドラムのセンターは出ません。

ブレーキシューは有る程度使い込みますと、開いた時にセンターが出ます。つまりアクスルが有る程度動ける状態にしてブレーキを掛ける。するとシューに押されてドラムはセンターに寄る。其の状態でアクスルを止める。これでドラムのセンターが出ます。

問題はこの後です。ハタカブのディスタンスカラーとアクスルシャフトの隙間は大き過ぎます。つまりベアリングの端面とカラーの端面がずれた状態で締め付けられています。其の為アクスルシャフトをオーバートルクで絞めてしまいますと、ディスタンスカラーの端面のセンターがずれた状態でつぶれてしまいます。

こうなっているマシンは、最初の調整をしても、直ぐにドラムのセンターがずれ、ブレーキの引きずりが始まります。

僕のハタカブもこの状態でした。其の為にディスタンスカラーを作る羽目に成ったのです。

今回、スプロケ交換のついでにベアリングをチェックしましたが、いたって良い状態でした。先の調整をした後に、直ぐセンターがずれてブレーキを引きずると言う症状も出なくなりました。ディスタンスカラーの寸法は上手く行ったみたいです。

今回の整備(ブリザーの新設)で、初めて緩めるボルトが何本か有りました。全てと言って良いくらいオーバートルクで絞められていました。ショックドライバーを使っても頭がつぶれ、ベルトサンダーで頭を飛ばすと何事も無かったかの様に手で簡単に廻ります。典型的なオーバートルクです。ホンダに限らずメーカーラインでの組み立てにはオーバートルクが目立ちすぎますね。

2006.4.23

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